どんがめを焼いている家からは

おいしかったが。

牝は腹いうか頭に肉が多かった。

網にかかるドンガメは船に入れといて、焼いて食うか、隣近所に分けていた。


処分に困るほど、とれてはおらなんだ。

くせいけど、おいしかった。

ほかに食うもんがねぃけえ。

魚はおかずになるけど、ありゃあ合間にくようた。




作者の小学時代には、朝6時頃から昼の2時・3時まで海で遊びっぱなし。というのが珍しくなかった。昼はどうにも腹がへるので海のちかくからすいかを失敬したり、漁船からドンガメをとっていた。船底には二三匹のドンガメがかならずいた。浜辺で松葉を集め即席のかまどで焼いて食べていた。が、腹の足し、というだけで”オイシイ”という感じは全くない。家に帰っているとドンガメを焼いている家がある。臭い匂いが広がるので見えなくてもスグわかる。







2000・12・24