昭和30年代、茂平の実家には庭先に畑で獲ったハミを竹の串にさし日干ししていた。
「焼いて食べりゃぁ精が出る」ゆうて。
殺すか、生でとるか。
堂面とうつろにおいかった。
(母の話)
二人おりゃあえんじゃ。
一升瓶を畑に用意しとく。今でも銅面にゃもっとる。ほれで頭の先からビンにいれるんじゃ。
そうすりゃぁ生で獲れる。
誰か人間が見ょうたら逃げん。ジーとしとる。
見なんだら、その隙にすぐ逃げる。
あんげいとっさじゃったら、棒きれで殺すしかねぇ。逃がしたらきょうてぃ。
堂面は何回獲ったかもしれん。
(ハウス)いちごを作りょうた時にゃぁ、鼠が多いんでネズミ捕りを置いとった。鼠は隅、隅を歩くんでそこへ置いとったら、今日は重てぃのう思うたらハミが入っとった。
堂面は畑にもゲシにもおる。うっかりゲシも刈られん。
うつろにゃ石垣を整地したとき、そんなかに5匹も6匹もおった。冬眠しょうた。
稲の中にもおる。稲の中におったらわからん。
麦を刈りょうたら、その中にもおった。まんまるうなっとった。あの時lは殺したかのう。
昔、賀山のおしいさんは稲のごんどうばぁじゃいけんけい株取りゆうてそりょぉしょうた時かまれた。すぐ病院に行った。まんが悪けりゃ死なにゃあいけん。
今でこそ軍手をはめとるが、昔ぁみな素手じゃったろう。油断なりゃあへん。
吉本の下の道も舗装しとるが、その前は「真ん中を歩けい」ようた。長靴をはいて歩けいゆたようたろう。夜道の真ん中でも噛まれることがある。道の真ん中へ水を飲みに出る。うん。
ハミはおそろしい。荒れたところへおる。そわぁなんで。
2001年10月7日