フナ釣り


茂平の畑には必ず池がある。大きな畑には大きな池が、小さな畑には小さな池がついている。小さな池にはフナはいない、蟹を掴まえるくらいだ。
フナ釣りはみみずをえさにして池で釣る。池はだいたいきまってはいたがそうはいっても、胴山から坂里まであちこちの個人池から部落の池まであるく。
竿は山の藪から竹を切って(ドロボーして)、ミミズは家の台所の排水あたりを掘って取る。糸は釣り糸か裁縫糸か忘れた。浮きと鉛と針は買う、・・・けれど買った記憶はない。誰か一人買うと何人かがまかなえる。リールは当然なし。
一人でいくことは無い。3〜4人。池では浮きが引くのを待つ、よそ見をしている仲間に「ひきょうるど」と教える。がそれはいらぬ世話で本人は知って待っているのだ。
どういうわけか釣り数にあまり差がでない。だから自慢は大きさになる。
釣りすぎたフナは母が天火乾しにすることもあった。





茂平の子供