火鉢

ひばち (母の話)


ひばちは温もるだけじゃあなしにコテにもつかようた。アイロンが無い時分。

ひのしが、ひのしゆうて杓のようになっとるもん。
こねいだまで裏にころぎょうた。

コテの変わりになりょうた。
おばあさんがつかようた。

それの後で、コテになった。

餅も焼きょうた。

カタズミをちいといりょうた。


為乗でカタズミは買ようた。


風呂の火と、消し炭をつかようたが、消し炭はすぐおきるが、すぐ消える。
カタズミを入れときゃあもちがよかった。

カタズミをいれるエエ炭籠もあったんじゃがしてた。
常会の時やこつかようた。もつだけでのうて温かった。

(陶器の火鉢と金属のがあるが?)

あれがエエゆうておじいさんが仕舞せんのじゃ。

まだ上座に置いとる。
高かったんじゃ。

”かなすね”ようたんもあった。あれは特別高い。

二階にも他のが、まだある。焼き物のはいらんようになったんで捨てたが。

かざりじゃゆうて仕舞わせん。





2000・12・17