薄荷・除虫菊その2

薄荷

薄荷は「ししゅうだ」と「うつろ」と「しんげい」で作りょうた。
焼けんとこ。ねばいとこでないとできなんだ。




除虫菊

砂地。

花を摘んで干しょうた。
庭にむしろをひいて干しょうた。

買い人が来て(茂平の農家から)買うていきょうた。


じく(除虫菊の幹)はくすぼらす。捨ちょうらなんだ。晩にくすぼらせば蚊やこがきょうらなんだ。

2002年6月23日




薄荷

岡山県史・民族1より転記


薄荷は、明治以降北海道に次ぐ主産県であった。
11月末〜12月初め、麦などのしつけが終わって種(種根)を植える。
薄荷は極度に酸性土壌、連作を嫌う。
「薄荷8年」といわれるように酸性・連作を嫌う。
畑一面に石灰肥料を施す、収穫期は一番刈りが5月下旬、2番刈りが8月中旬である。10月下旬に3番刈りをする。1年に3回収穫できるが、3番刈りは収穫量が少なく、雨が少ない年はできが悪い。
刈取った薄荷は納屋の軒下に吊るして干す。
村に一つあるウムシガマでしぼって油を売るのだが、野立て売りや、縄に編んだ連のままで売るものもある。
昭和10年が最盛期で、昭和35年頃衰減した。




除虫菊


岡山県史・民族1より転記


県下では備中西南地方で栽培された。この地域は温暖寡雨の気候でよく適し、土壌はやせていても育つ、連作を嫌うが薄荷ほどではない。

秋の彼岸ごろ苗圃に播種し、4月に本圃に移植する。
麦の土寄せをした中に、浅い溝をきり、5寸間隔に1本づつ根の部分に土をかける。
小豆・ササゲのどの夏物作物を収穫した跡地に植栽する場合は苗を密植しておいて秋の彼岸頃本植えをする。
収穫期は5月である。根まで抜き取り、千歯こぎで花弁を落す。
抜き取らないで、株を残しておくと翌年も収獲する事ができる。
花弁はムシロに干され、夜には納屋や土間に入れてひろげる。

価格の変動は薄荷よりも著しかった。ゆとりのある農家は翌年まで売らなかった。戦後最高価格は昭和27年。化学薬品の普及により、昭和34年には頗る減反した。












2015年12月02日 | 農業