「土科練」と「エリート」のはざま

予科練の前期は貧しくて、狂気の時代の日本の「エリート」だった。
いっぽうで後半は飛行機乗りを断たれて「土科練」としか呼びようのない、大量促成栽培消耗品でもあった。

叔父はそのはざかいきの予科練生だった。
飛行機を断たれた面では「どかれん」に属する面が強い。

おじは、「一度も飛行機には乗ってない。」
それを自然と話す。

なにも疑問を感じることなく特攻へ選ばれ、それを最高の名誉とする。
死を覚悟の「突撃」にいきり高ぶる。

狂気の時代の「普通の少年」が、わずか60年前には日本にあふれていた。



(米英の対イラク戦争を見ながら。)

2003年3月23日