真夏の太陽を受けて不気味に光る“巨大な原子雲”の下に、核時代の原点と なったヒロシマがある。暗い影を落としながら、北西に向かって広がるキノコ 雲。“黒い雨”を呼んだあの雲。30万とも40万ともいわれる広島市民のうめ き声が、キノコ雲の下にある。
広島原爆投下作戦に参加したB29 3機のうちの1機から撮影した広島のキ ノコ雲。瀬戸の海と白い海岸線をみせる島々。この写真からは、被爆者の助け を求める声は聞こえない。作戦を終えて帰途につく勝利者の目。あくまでも冷 静な目。
2003年3月22日