この年、妹は結婚して満州に行くことになった。


満州へ行くことの家族の反対は?


嫁いで満州に行くことに家族の反対は「利三郎じいさんの反対があった。」と、この春、叔母本人が言っていたが?


(父)

そりゃぁ、しょうがねい。

おじいさんは、孫がそわぁところへ行ったら、もうよう戻らんくれぃに思うとった。

わしらみたいな若いのは、満州ゆうところがどがぁなとろろかわかっとったけぃ。
どんどん(満州へ)行きょうた時。




(母)このころ茂平に嫁いで1年ちょっと

他のひとはえれぃ反対せんかった。

満州ゆうところが流行りょうた。わざに仕事のあまり無いひとは一家をあげて満州へ行くゆうひともいた。井原の女学校同級生の家にも2〜3人おった。
そういう時じゃけぃ、えれい反対はなかった。時が時じゃった。
満州へいけば、満鉄へはいったり、ええ就職があるようた。

それでも賀山(母のデショ)にゃあ言ようた。「よう、茂平にゃぁ行かすのう。一人娘をいかしてじゃのう。ワシかたにゃ、よう行かさん。」「してるようなもんじゃ。」



満州への嫁入り

おばの話(父の妹・大正12年8月16日生)談・2015.7.21


(昭和18年の事)
(おばの祖父の)利三郎じいさんが父に「どしてたった一人の娘をなんで満州に嫁にやるんじゃ」「これから戦争が始まるかも知れんのに」ようた。
父は黙って頭を下げとったままじゃった。
利三郎じいさんは直接私に「もう生きて死に目に会えん」言うた。(←結果は、会えなかった)







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2002年5月26日