「門へ二人乞食がきとる。」


今はないけど、その頃ボロ門があった。

そこへ立てっとったら、おじいさん(夫の父)がまだ生きとって、縁側に座っていた。
「なんやら、門のところへ乞食が二人来とるど。」言うたらしい。

その頃、電話もないし、何も連絡はしてないし、生きとるかどうかもわからんし。

死んだ思うた息子夫婦が立てっているので、信じられなんだんじゃろう。


それで家の中へ入ろうとしたら、今度は足が前に行かんようになった。
”ほっ”としたんじゃろう。
足がいうことをきかなんだ。