
吉林には天皇陛下のあの放送があるまでは焼夷弾が落ちてきとった。
日本も・・内地もいっしょじゃった思うけど。
おばさんはのんびりしとったんじゃろう。
夜、男の人はひとところに集まり護りにでとったんで、一人で寝とった。
そしたら窓が明るぅなる。
ガラス窓を開けたら、空から綺麗な風船みたいなものが落ちてきょうた。
「きれいな、なー・・・」思うて見ょうたら。
社宅の会長さんの声がした。
「奥さん、何をしょうるんなー!
焼夷弾が落ちてきょうる!
みんな防空壕へ逃げ取るんじゃ!
早、窓閉めねー!!」
言ぅておしえてくれた。
そうやって逃げた事もあるし。

2002・4・30