8神社参りで歩く歩く、そして歩く(これは母の話)


八つの八幡様に武運を祈るため茂平の国防婦人会では茂平の八幡様から福山の八幡様まで歩いた。

此処へ、来だちに(嫁に来てすぐに)
大勢連れのうて、もんぺを着て(エエ着物を持っとっても、もんぺにしょうた。)八神社参りに歩ぃた。
茂平を振り出しに福山の八幡様までこれはしんどくて忘れられん記憶である。

引野や一村・蔵王を歩ぃて行った。
「ここはあきらさんかたのおねえさんの出所、もうチョット行くと今度は・・・」
と、言いながら・・・それしかいう事が無いんで・・・歩いていった。

八幡様近くなりここがサトシさんの家(作者注・父の実弟)、と言われ初めてサトシさんの家を知った。

帰って来たのは晩の四時じゃった。


忘れられん。




2000・1・16



資料・神社参り(井原市史)


戦時中の特色は神社参りであった。


井原市では矢八幡めぐりといって近親者に応召があると、千人針(千人縫)を作るといっしょに、朝早くからにぎりめしをこしらえて、木之子・東江原・野上・青野・西江原・下出部・笹賀・高屋の八つの八幡宮を廻り、武運長久、必勝を祈願した。

2000年11月12日