「勝ち抜くわれら少国民」


サトウハチローは戦前戦後、詩人として名高いが、キツイ歌を世に出している。
疎開児童に歌われたそうだが、学校でも歌われることがあったのだろうか。


以下
--昭和の戦時歌謡物語・塩沢実信著 展望社—
より転記する。




童謡づくりを常に胸に秘めていたサトウハチローの「勝ち抜くわれら少国民」
は死を美化した軍国主義迎合そのもの、ものすごい歌詞だった。

一、勝ち抜く僕ら少国民 天皇陛下の御ために
死ねと教えた父母の 赤い血潮を受け継いで 
心に決死の白襷 かけて勇んで突撃だ

二、必勝祈願の朝参り 八幡様の神前で
木刀ふって真剣に 敵を百万斬り斃す
ちからをつけてみせますと 今朝も祈りをこめてきた

三、僕らの身体に込めてある 弾は肉弾大和魂
不沈を誇る敵艦も 一発必中体当たり
見事轟沈させてみる 飛行機ぐらいは何のその

以下略




ついでにメジャーな曲の歌詞を記す。

藤山一郎が晩年までテレビでよく歌っていた。


愛国行進曲

戦争中に政府が国民を”皇民”と鼓舞した思いがよく出ている。特に二番。


自国の歌であった事実が悲しい。





愛国行進曲

1 見よ東海の 空あけて
  旭日高く 輝けば
  天地の正気 溌剌と
  希望は躍る 大八洲
  おお晴朗の 朝雲に
  聳ゆる富士の 姿こそ
  金甌(きんおう)無欠 揺るぎなき
  わが日本の 誇りなれ

2 起て一系の 大君を
  光と永久に 戴きて
  臣民われら 皆共に
  御稜威に副わん 大使命
  往け八紘を 宇(いえ)となし
  四海の人を 導きて
  正しき平和 うち建てん
  理想は花と 咲き薫る








2015年11月24日 | 昭和16年~19年