大別山C随想

昨日の疲れも何時の間にやら本日も行軍。

一路漢口へ。漢口へ。

いよいよ二人、一人と、途上をうらうらと、さまよいつつ、倒れつつ行き進む。
色あせる顔、死人の如く。

吾等、身も心も疲れきり、ただいっしょに一歩づづ脚をすすめている様子だ。

薬物は無く、ただ死を近くに感じるのみ。

いや生きつつ地をすすめるのみ。




紅葉ははかなく地上に舞い落ち、今は我故郷と、現在を比す。

風に散る黄葉はひらひらと、吾がままならぬご奉公なりけり。


1938/10/27

  



2001年8月15日