牛の爪は田植えの前のへんにしょうた。
爪が長ぅなったらふんばれんし、爪の間にドロやこがはさまらんように。
カド(家の庭)へ牛を連れ出して棒へ縄で牛をくくり(あばれちゃぁいけんので)、大人が二人はおらにゃぁできん。
一人は牛の脚を持ち上げて、あげたもんがきる。爪を切る。
一人は牛がよろよろせんように背中でよかるようにしとく。(安定させとく。)
そおやってじゅんじゅんに、1本切っちゃあ降ろし、四本の脚の爪を切っとった。年に一回じゃ。
2001年7月14日
作者記・そういう光景は昭和35・6年まで続いた。