作者記・羊を二年間ほど飼育していた。三年とはつづいてない。二匹か一匹、多分一匹。
家の裏に子屋をつくり飼っていた。おおきなバリカンで毛を刈取っていた。父は補助で、専門家がしていた。死んだ羊の肉を食べた。隣近所に分けても更にその量は多かった。乏しい時代ではあったが、その肉はまずいもので、無くなるまで来る日も来る日も羊の肉を食べた。昭和32年前後の事。
終戦後は肉がなく、国の政策でもあり飼うた。
肉は臭かった。
肉はまだ鯨のほうがよかった。鯨は刺身にもなるが、羊はくさい。
馬のほうがまだよい。
2000・1・9
(母の話)
一匹飼ようた。
毛糸を取るためじゃった。毛糸がなかなか無かったけぇ。
刈るのは一年に一回しかできょうらなんだ。
2001年6月17日