庭(かど)


何処の家の庭も広かった。
干イチジク、麦、まめ、米、ムシロをひいて。


麦やこは足りんので、上の道にまで干しょうた。
機械でするようになって多少、そこまではいらんようになったが。

いつも要るゆうわけじゃあねぇけど、庭がないと、干しもんのために広い庭は、いった。


2000・12・24


米を干しょうた。麦や米を。ほれで庭(かど)が要りょうた。

毎日(めいにち)、日に一度(いっぺん)は莚(ミシロ)をひきょうた。


うちには「おきん田」も「ししゅう田」も田圃じゃったのがトウガキを作るようになった。ほれで(カドが)いらんようになってしもうた。


(母の話)
米をえっとしょうる人は乾燥機ができた。麦はつくらんようになったし。

昔は干したり、降りそうなら夜中んでも、入れたり。入れたり出したり。

昔はカドをようつかようた、しんどかった。みな、ムシロをひろげてしょうた。

2002年5月26日



談・2004.9.5
カドで干す(母の話)

稲はハゼだけでは、ええように干んのじゃ。
ほれでハゼの後で庭に2〜3日干しょうた。その後で脱穀するとおいしいコメになりょうた。
ムシロは爺さんが長屋で自分で編みょうた。