OSJ氷ノ山山系トレイルレース完走レポート

 
10/28、OSJ氷ノ山山系トレイルレースに挑戦し完走した。久しぶりのトレイルマラソンだ。
過去には、大阪府山岳マラソン(通称”ダイトレ”)、チャレンジ生駒、比婆山スカイラン等を完走しているが、最長でもダイトレの36km。

一度だけおんたけウルトラトレイル100km(2009年)に挑戦したことがあるが、40kmであえなくリタイヤ。なので、トレイルマラソンでは40km以上走った経験はないのだが、今回の氷ノ山トレイルを完走するには倍近い71km走る必要がある。
しかも8月初旬にやってしまった第五腰椎圧迫骨折も完治していないなど、不安も大きい中での挑戦だ!


せめて天気くらいと思っていたが天気予報は雨。予報が外れることを願っていたがかなわず、モチベーションがあがらないまま当日を迎えた。
 

  大会のこと
         
  OSJとはアウトドア・スポーツ・ジャパンの略だ。年間10戦のトレランレースが企画されていてシリーズ全体でのでポイントを争うしくみだ。
  上位には賞金がでるそうだが、私には関係ない領域だ。氷ノ山はその第10戦。最終戦だ。
  距離は71km。OSJシリーズではおんたけ(100km、160km)に次ぐ長距離大会である。
  氷ノ山のレースは2010年から始まったが、昨年は悪天候のため中止。なので2回目だが、2010年と比べると距離が短くなりコースも一部変わっているそうである。
  制限時間は15時間30分。普通の100kmが14時間前後であることを考えると、距離は短いが山を走る分、100kmよりも厳しいかもしれない。
 
         
  最近の走り
         
     最近はふがいない走りが続いている。  
       
  2012年4月22日 チャレンジ富士五湖112km → 天候も良くなく69.8kmで気持ちが切れてリタイヤ
  2012年6月2日 しまなみ海道100km遠足 → 66kmで胃腸をやられ胃の中全部吐いてリタイヤ
  2012年8月4日 仙酔島でのウエイクボード初挑戦で第五腰椎圧迫骨折。2週間は全く走れず。以降少しずつラン開始するもまともには走れず練習量は激減り。
  2012年9月16日 安芸太田しわいマラソン88km → しまなみ同様70kmで全部吐いて75kmまで移動してリタイヤ。バスで会場に戻り、風呂の中でも吐いていた。                      でも骨折後の初レースにしては、足腰は十分動いてくれた。腰の痛みは残るが、ある意味不安は吹っ飛んだ。
 
  2012年9月30日 村岡ダブルフルウルトラランニング100km → 仕事での繁忙と台風接近のため参加せず。結局大会は開催された。
         
  ウルトラ4連敗...なんとかしなければ!!!
 
         
  前日
         
  10時半ごろまで会社で仕事したあと出発。SAで昼食を食べた以外はノンストップ。15時前に派兎和野兎和野高原野外教育センターに到着。
  参加者が少ないためか通常の100kmマラソン受付と比べても少し閑散とした感じ。
  滞りなく受付終了。受付の際、熊鈴、ハイドレーション、ライトを準備していることを念押しされた。
  そのあと、近くの温泉で汗を流し、コンビニで食料を調達し、再び兎和野兎和野高原野外教育センターへ。
  17時30分から競技説明会と歓迎パーティーが開かれる。パーティーはともかく競技説明はよく聞いておかないと...
  時間が近づくと、食事やビールがテーブルに並べられ、定刻過ぎにパーティー開始。市長挨拶のあと乾杯!!
  ビールを飲みながらつまみを食していると、前回レースのDVDが始まるとのアナウンス。それまで会場の後ろの方にいたが、すぐに前に移動し、映像に注目した。
  分岐など細かい点をくわしく説明して頂いた。本格的なトレイルマラソンで厳しく長いコースであることがよくわかった。
  そして熊。その日もコース近隣で熊の目撃情報があたとのこと。遭遇しないための配慮、遭遇した時の対応等説明頂いた。
 
         
  装備のこと
         
  今回装備したのは以下の通り。水は2L以上と書いてあったが、実際は途中のエイドで補給可能であり半分程度でもいけたかもしれない。
       
  ・バックパック グレゴリー、ルーファス(容量9L)
  ・水(ハイドレーション) キャメルパック1.5L+500mlボトル
  ・雨風対策 モンベル ULウィンドウジャケット
  ・寒さ対策 ミズノ ウィンドウブレーカーシャツ
  ・ライト @ヘッドライト:Energizer Aハンドライト:ジェントス閃
  ・予備の電池 上記@Aの予備電池
  ・熊対策 熊鈴2個(にちなんか村岡のコース途中でもらったやつ)
  ・行動食 パワージェル(8個)、パワーバー(2個)、サバスゼリーバー(2個)、塩熱サプリ、ムサシ(Ni)、アミノバイタル
  ・非常時の薬 胃薬(ガスター10、セルベール、ガストール)、鎮痛薬
 
  その他デジカメ、ゴミ袋、コース地図、バンドエイド 等
 
  骨折はまだ完治していないため、腰にはコルセットを巻いて出走。
 
         
  当日(スタートまで)
         
  何時に寝たのか?そもそも寝れたのかさえもよくわからない。まったく熟睡には程遠い感じで起床時間を迎えてしまった。
  真夜中、雨や風の音も気になった。今日は雨だ。もう腹をくくるしかない。
  朝ご飯を食べ、歯磨きをし、トイレをすまし、背中に背負う装備とゴールへ預ける荷物を確認し、ウェアに着替えてスタート場所へ。
  ゴールの荷物を預け、しばらく体育館内で待機。
  スタート15分前、スタート場所へ移動するため体育館を出た。雨は降っているが小降り。これ以上強く降らないでほしい。
  熊鈴、ハイドレーション(2?必要とのことだったが量の確認はなし)、ライト(点灯までチェック)の確認を行い、スタートゲートに。
  そして5時30分、長いレースのスタートだ!
 
         
  スタート〜第一関門(約19km、わかさ氷ノ山自然ふれあいの里)
       
  スタートしてすぐ、ロード1kmも走らないうちに森の中へ。いきなり本格トレイルの厳しい登りが始まった。
  第一関門までに鉢伏山と氷ノ山をクリアする必要がある。厳しい登りが続く。
  一度林道に出てしばらく走って最初のエイド。ここでラーメンを頂いた。但馬牛の肉が入っているのが売りであったが少々堅かった。
  エイドのすぐ横からを再び本格的な登りのトレイルだ。
  強烈だったのは鉢伏スキー場のゲレンデ登り。最初は目に見える範囲の登りと思っていたが、カーブしており、カーブに達するとその先に登りが...
  さらにピークに見えた場所は少し平らになっているだけで、その場に到達するとその先にまだまだ登りが続く...
  ようやくたどり着いたピークは鉢伏山の頂上。晴れていたらどんだけ壮大な景色が見えたか...と考えると少々残念であったがそれでも爽快な気分。
  鉢伏山から氷ノ山までは、尾根を走る。ここは本当に気持ちの良い区間。この曇天で気持ちがいいのだから晴れてたらどんだけ気持ちが良いか...
  それを楽しみに次回もまたこようと思った。それだけの価値がある気持ちよさである。
  そういえば雨はほとんど降っていない。いつの間にか氷ノ山のピークを通過し最初の関門に到着。
  時間は3時間と少し。制限時間(5時間30分)に対し、2時間以上の貯金。想定以上のペースである。
  ここでややぬるめのなめこ汁を頂き、パワージェルを一本口に入れて充電した。
 
         
  〜第二関門(45km、上山高原)
       
  第一関門を出てしばらくすると林道に入る。長い長い林道である。
  アップダウンはそれほど厳しくなく、気持ちよく走れる雰囲気。いい感じで走れていたのだが次第に疲れがたまって来た。
  気持ちよい林道といってもさすがに20km近くも続くと飽き飽きしてくる。たまらず、途中横たわる伐採林に座りこんで休憩、パワージェルを口に入れて充電した。
  長いにも程があるというものだ。林道後半はペースがかなり落ちてしまったが、なんとか林道を抜け次のエイドに到着。
  エイドでは座り込んでパワーバー(バナナ味)を食べた。食べているといやな情報がエイドに入った。
  ランナーが熊を目撃したそうだ。昨夜の説明会でも注意を促していたが、本当にいるんだな。でも遠目に見たい気もする。あくまで遠目に限るが...
  パワーバーを食べ終え、第二関門をめざす。エイドをでるとすぐに鬱蒼とした森の中へ。扇ノ山を目指す登りのトレイルだ。
  いかにも熊が出そう...気のせいか鈴の音が小さく感じる。ちょっとした太い木などが熊に見えたりする。少し恐怖感を感じながらひたすら登る。
  あっという間に扇ノ山頂上付近。頂上は左へ400mだが、コースは右折。しばらく下った後再び登り。その後舗装路に出て第二関門まで下り基調。
  あっという間に第二関門に到着。その前の林道が長すぎたためか直前のエイドから関門までは早く感じた。
  あたたかいコーンスープがうまかった。おかわりを2回し3杯飲んだ。
  ここまでの時間は7時間と少し。第一関門同様、制限時間(9時間30分)に対し、2時間以上の貯金だ。やはり想定以上のペースでここまで来れた。
 
         
  〜ゴール(71km、とちのき村})
       
  第二関門を過ぎ、次は予備関門が設けられている肥前畑エイド(51km)だ。エイドに向かう登りの舗装路で本格的な雨が降ってきた。
  雨の予報にも関わらずここまでほとんど降っていなかったのだが、今日初の本格的な雨となった。でも火照った体には心地よくまったく苦にはならなかった。
  エイドを過ぎてすぐ深い森の中にはいる。しばらく登った後、急な下り。しかもぬかるんでおりとても立って降りられない。と、近くにロープを発見。
  ロープを使いなんとか降りると次は登り。このあたり道なき道を進む感じでコースの印であるピンクのリボンを追いながら進んだ。
  急峻なうえにさっきの雨の影響もありぬかるみも酷くドロドロ状態。バランスを崩すと谷に落ちそうだ。一歩一歩足場を確かめながら進んだ。
  過去のトレイル大会でもここまでひどい(=おもしろい)コースは初めてだ。やっとのことで上りきったところでエイドステーション。
  エイドを過ぎると延々と林道を走る。長ーくてそこそこのアップダウンもあり、疲労困憊の体にはこたえる。
  このあたり、前後に全く人影が見えない状態が続き、大会の看板もなく、道に迷った不安に陥った(一本道なので看板の必要もなかったのだが)。
  あまりに不安になったので、途中で立ち止り、後から人が来るのをまった。5分、10分たっても来ない。
  これはマジで迷ったかもしれん!戻らなきゃと思い、少し戻りかけた時に後ろからランナーが来た。ふーよかった。
  最終エイド手前で暗くなってきたためライトを点灯。最終エイドを過ぎ残り8km。2km下って6km登ってゴールだ!
  登りは結構勾配がきつい。しかも延々ゴールまでこんな感じだそうだ。最後の最後にこんなコースを設定するとは...なんともドMなコースだ。
  最後なので力を振り絞って登りを走る。とても走り続けられず少し走っては歩きがはいる。でも、周りはほとんど走っている人はいないので、少しづつ順位を上げていく。
  ようやく、ゴールのアナウンスが聞こえてくる。あたりは既に真っ暗だ。もう少し、もう少し。必死に走る、いや歩く。
  ゴールが目の前に見えてきた。前にランナーはいない。ランナーが帰って来たというアナウンスが聞こえた。俺のことだ。走る走る。
       
  そして、アナウンスとともにゴール!!!
  13時間16分33秒。71kmトレイル完走だ。
 
         
  完走後の感想
       
  とにかくおもしろいレースだった。出走前は天気予報も悪くモチベーションはいまいちだったが、幸い雨の量は少なく全く問題なかった。
  スキー場のゲレンデ登り、壮大な尾根伝いコース、熊の出そうな鬱蒼とした深い森、泥んこの登り、これでもかと続く長〜い林道....
  厳しいコース設定ではあるが、どれもこれも完走した時の感動を高めるために不可欠なもの。トレイルはこうでなくっちゃ。
  時期もよかった。暑くなくそれほど寒くもない。紅葉も素晴らしかった。来年もまた出よう。来年完走すればUTMFの出場資格を得ることもできる。
 
         
  UTMFについて
       
  UTMFとは、ウルトラ・トレイル・マウント・フジの略で、富士山の周囲をグルリと周回する日本初の本格的な100マイルトレイルマラソンだ。
  今年の5月に第一回が開催(距離は約156km)されたが、BSでも特集が放映されるなどトレイルランナー大注目の大会だ。
  来年第二回が開催される予定だが、参加資格が厳しく設定された。下記の通りである。
       
      大会当日に18歳以上の男女で、コースを迷うことなく制限時間内に完走できること、
    未成年は保護者の承諾書が必要です。    
    ●UTMF(161km)    2010年1月1日以降に、100km以上のトレイルランニングレースを1回以上完走、
    あるいは70km以上のトレイルランニングレースを2回以上完走していること。    
    ●STY(84km)    2010年1月1日以降に、70km以上のトレイルランニングレースを1回以上完走、
    あるいは40km以上のトレイルランニングレースを2回以上完走していること。
 
 
 
 
 
  ちなみに、今年の第一回大会の参加資格は、UTMFは100km完走、STYに至っては特に設けられていなかったので、私レベルでもどちらにも参加可能だった。
  しかし、今回の氷ノ山の大会前の段階で上記条件が公表され、私は上記参加資格にはUTMFはもちろんSTYにも当てはまらないことが判明。
  と同時に、氷ノ山を完走すればSTYへの参加資格が生まれることも判明。俄然完走への思いが強くなり、モチベーションが高くなったのは言うまでもない。
 
  参加資格として、トレイルレースに限定したことと2010年以降に限定したことが特徴かな。
  レース自体がそんなに多くなく、被って出場している人が大多数と考えると、参加資格を有する人は限られた人となる。STYではあるが自分もその一人になれたのである。
  来年STYを完走できればUTMFの参加資格も得ることができる。そして、再来年はUTMFに出場...と思いは広がっている。
  というわけで、早速STYにエントリーした(エントリーフィーは\24,000と高め。UTMFはもっと高い\36,000)。
  とはいっても、参加枠を超えたエントリーになるのは避けらず抽選になるのは間違いないだろう。12/1の抽選結果を待ちたい。
 













副部長・2012年11月11日