やかげ3

雨はとにかく降りつづいた。沿道の声援はそれでも暖かかった。

大会の受付では前例をみない声をかけていた「今日は走られますか?」
それは”飛脚コース””殿様コース””姫様コース”、どの受付でも、受け付け第一声だった。
それが自然と感じる雨模様だった。


ゼッケンは前と背中の2枚。「チップが付いているのを背中に」と放送している。
背中のゼッケンを近くの人に依頼した。
「来週は”吉備路”ですか?」
「いえ、”福山”に出場します。」

最初の競技スタートはハーフから。

10時ちょうどに号砲がなる。その5分前に花火が2〜3発打ちあがる。どか〜〜〜ん。

スタート時間に雨がやんだ。これで雨はあがるなと思ったが結果はその少しの時間だけだった。




スタートして2キロほど走ると小田川の支流の川を渡り民家が点在する東川面を走る。

川面から北の山の方向へ向かう。小川の風景が田舎いなかしてくる。日本の風景画のような田舎。民家があったりなかったり。
その付近は「ホタルの里宇内」の看板がある、「ここが宇内なのか」と走る。

宇内を過ぎてから遠方を見るとランナーたちが山を越えている。

その頃えいちゃんの近く、前にも後ろにもランナーはいなかった。
追付いてきたランナーに聞く。
「何処から来られました?」
「岡山の市内です。」
「じゃ来週は吉備路ですか?」
「ええ、練習してないですからこの大会に出場しました。」


山道を上ると前面に西川面が見えてきた。宇内が田舎だったので川面がひらけた光景に見える。
脚の調子も走りに慣れて順調。このへんでいくらかペースをあげていこう、それに「B&G海洋センター前で応援頼む。」と依頼もしていたので悠々と走るとこを見せないと。


軽い足取りで右前方マルナカの店舗を見ながら走る。雨は降る。メガネはいつも雨粒。
B&Gの前。傘をさした係員二人。たったこれだけ。
プールにきた人たちが多数応援していると思ったけど、がら〜〜ん。だった。


川面を東に走り矢掛の町へ入る。
本陣・石井家の前、正装の主人が応援をしていた。
すこし走ると”あっ、えいちゃん”
今年もRD社のH氏が係員をしていた。

町を過ぎ東へ走る。
国道沿を走り左折。北へ。
ランナーの姿が見えず三叉路では迷いそうなところもあった。

正面に学校が見えてきた。「三成小学校」、はは〜〜ん、ここへんが三成というのか?道理で以前フルーツパークへ方向を迷い行けなかったハズだ。
学校前に三人、「こんちわ。」RD社のI氏が立っていた。


コースは駐車場のある山越えが始まり終盤になる、いくらかばててきた。
山を越えると井原線の高架が見え、ゴール地点の競技場が見える。大会アドバルーンも見える。
腕時計を見る。「2時間切るのはできるかな?」と逆算。


競技場へ上る前、二人並走になった。
「何時ですか?」
「12時2分です。2時間を2分超えました。」
「そうですか。」
「ゴールまで二人で戦いましょう。」と前を行ったが、彼にはゲート前で抜かれてしまった。

ゴールしたらすぐ完走証を印刷してくれた。ちいさい完走証だが雨に濡れないよう気をつけて持った。


(ほぼ原寸どおり)



ゴール後、タバコを吸おうと出すと雨に濡れて湿めっていた。

そしてジリイ道をゆっくり、足元だけをみながら車へ戻った。

家に帰り風呂にはいった。
その後で購入後1年、はじめて靴を洗った。
靴は濡れ、しかもドロもぶれになったので。こういう時にしか(洗う気にはなっても)実行することはできない。

2003年2月18日