ああああぁ。


冷え込んだ身体と脚は足守川の風にさらされ、とにかく「走り」の状態を維持することだけを意識。歩かないこと。

残り距離は既に10キロを切った。

10キロを切れば、なんとかゴールもちかずいてくる。ここまできた、残りは後9キロか、8キロか。5時間めいっぱい近くかかってしまうな、これは。


もうすぐ35キロの標示があるはずだが、まだかな?
足守川の橋を渡りはじめると川岸に給水35キロ地点が見えた。やっと35キロか、残り7.195キロ。よし!

近づくと割に繁昌しているようだった。残り7キロになればさすがにみんな給水と食べ物をここでいれてゴールだけをするのだな。
そう思いながら橋を渡った、その時。

「1時22分です。時間オーバーしてます。」、ああああああああぁ。数名の係員のうちの二人が、それをランナー達に次つぎに知らせストップさせていた。

えいちゃんはその時初めて時計を見た。確かに2分オーバーしている。

その声を聞く、その瞬間までえいちゃんの頭は残り距離のことしかなく、ゴールめざし気合を入れ直す地点であった。
それが中止の知らせとなってしまった。


がっくり。の気持ちと、道端にすわればなにかやっと終わたような気もしてきた。


2002年3月1日