フルマラソン初挑戦経過報告!

 

<ゴミ袋がカッパ>

天気予報によると当日はずっと雨らしい。フルマラソンへの初めてのチャレンジなのだ から、好天の下で走りたいとずっと思ってきたが、どうやらその思いは通じなかったようだ。膝の心配より雨対策をどうするかが明日のポイントのような気がしてきた。結局、雑誌の情報から、ビニール製のゴミ袋に頭と腕が入るところだけ穴をあけた簡易カッパをかぶることにし2枚作っっておいた。夕食は勿論うどん。明日もうどんパワーで走る!

 

<短いメッセージに勇気をもらい>

AM5:00少し前に家を出発し、福山東ICから津山ICを経由して会場へ。会場にはAM7:00頃到着。7:30頃受付を済ませスタートまで車内で待機。何せ雨がずっと降ってるので、車できた参加者の多くは車内にいる模様。受付で受け取った袋の中を探っていると地元の小学生からの直筆のメッセージがあった。

”勝っても負けてもたおれそうになってもがんばって最後まで走り抜いてください。”

短い文章だったが、勇気をもらった気がした。スタート時刻は9:50だ。15分前になったので、ランナーズクラブユニホームに着替え、特製雨カッパを着込み車からでた。周囲は約半分がカッパ無し、カッパ着用者のほとんどは私同様ゴミ袋から作ったものだ。中には傘をさして走ろうとしている猛者(?)もいる。

 


<快調!これはいける!> スタート〜10km

号砲一発、スタートした。まず一周200mのグラウンドを一周と少し。一番後ろの方に並んでいたのに加え、雨のため土のグラウンドが泥んこ状態だったため、グラウンドを出るのに3分以上かかってしまった。やっとの思いでアスファルトのロードに出た。さぁこれからだ!最初の5kmまではやや登り下りがあるがほぼ平坦に近い。まだまだ大集団のため走りにくい。かなり抑えているつもりだが、少しづつ前を行くランナーを抜かしていけた。あわよくばサブフォーも狙いたい僕にとってこれ以上ペースは落としたくなかった。5kmを超えしばらく走ると、加茂川の清流沿いの少し広い道路にでた。天気が良かったらさぞ気持ちいいだろうなァと思えるとてもいいコースだ。かなり先まで見通せるが、明らかに登っている。これから折り返しのハーフポイントまで長い長い登りが続くのだ。10kmまではなんて事無かった。快調!快調!これは行けるぞ!この状態で30km近くまで走れればあとは気力でなんとかなる!と思ってた。

 


<沿道の応援>

沿道の応援は素晴らしかった。雨にもかかわらず沿道にはたくさんの人が出ていてとても大きな声で声援してくれる。お年寄りから小さな子供まで本当に町を挙げて盛り上げようとしているのがよくわかった。僕にメッセージを書いてくれた子もどこかで応援しているに違いない。大きな声援に思わず『ありがとう』と声を返す。参加者が1000人にも満たない大会なのに、ランナーズの大会100選に選ばれる理由もこの辺にあるのだろう。



<ついに右膝にあの違和感が!>10km〜20km

15km少し手前あたりから右膝にあのイヤな違和感が出てきた。早すぎる!と思った。コースは上り坂が続く。坂の緩急はもちろんあるが平坦な道はほとんどなかったように思う。雨は断続的に降り続いていたが、この時点では雨は全く気にならなかった。むしろ炎天下よりは好条件なのかもしれない。距離を重ねるにつれ膝の違和感と痛みがやわらいでくれればと甘い甘い期待をしながら走ったが、徐々に右膝の痛みは奥深くまで浸透していくようだった。

 

<やっとハーフ> 20km〜ハーフ

20km地点のエイドステーションに立ち寄り、エネルゲンを飲みバナナをほおばった。2〜3回屈伸運動をして再スタート。膝の痛みは立ち止まる前より悪化したように感じた。ハーフポイント直前、きつい登りが続く。ハーフポイントには時計があり計測器も設置してある。予め登録しておくとハーフ通過をリアルタイムで指定のメールアドレスに送ってくれるらしい。やっとのことでハーフ通過、2時間9分台。ここから一変長い下りの始まりだ。

 

<もうとても走れない> ハーフ〜25km

下りに入った途端、膝の痛みが更にひどくなり悲鳴をあげた。右足を地面につける度にずんずんと痛みがつたわってくる。ハーフをすぎて200mくらいだっただろうか、たまらず僕は歩き出してしまった。幸いなことに歩くとほとんど痛みはない。時々走ろうと試みるがそう長くは続かない。歩くと痛くないため徐々に歩く時間が長くなっていく。よし、少しでも速く歩こう!そう思った僕は歩く速度を速めた。前を行くウォーカー(ここまでくると時々居る)とバトルして歩いて抜かしたりもした。このペースで歩き続ければ、時間制限内、いやもしかするとまだ5時間を切れるかも知れない。そのような情けない計算をしながらもまだ張り切っていた。もうとても走ることはできなかったが、歩いてでもゴールまで行こうと思っていた。

 

<無情な雨が...> 25km〜30km手前

雨は断続的に降り続いていた。好調に思えた歩きにも徐々に暗雲がたちこめてきた。最初から無意識に右足をかばった走りや歩きをしていたのか徐々に左足にも違和感がでてきた。さらに歩いていても右膝の痛みが徐々に増してきた。ペースは徐々に落ち、歩き方もぎくしゃくしてきた。いかにも疲れ切ったように見えるランナーが次々と僕を抜かしていく。自分の進むスピードが異常なほど遅く感じ、ゴールまでの距離を考えると気が遠くなってきた。無情な雨がだんだん冷たく感じてきて、徐々に体力と体温そして気力までも奪われていく感じがする。身体は走っている時の火照った感じは全くなく完全に冷え切っていた。吐く息も白い。距離表示は5km毎のため、30kmまであとどれくらいなのかよくわからなかった。もうかなりの時間歩いた感じがするのだがなかなか30kmがこない。とにかく30kmまでは行こうと思った。

 

 

 

<もう限界なのか!> 30km

やっと前方に30kmのエイドステーションが見えてきた。もうまともには歩けていない。

そのうえ寒い。もう限界なのか!ここでリタイアして後で後悔しないのかと自分に問いかけてみるが、答えはすでに決まっていた。足の状態・体力・気力とも限界だった。エイドステーションが近づくにつれ、あそこが今日の俺のゴールなのかと思うと徐々に悔しさがこみ上げてきた。最後は両手拳を強く握りしめ悔し涙を流しながら歩いていた。

エイドに着くやいなや『すいませーん、膝が痛くって。リタイアさせてくださーい!』と明るい声で(実際の気持ちはかなりへこんでたのでそうは聞こえなかったかもしれない)エイドの女性に告げた。こうして僕のフル初挑戦は幕を閉じたのでした。

 

<ラップタイム>

 0〜5km        :29分07秒

 5〜10km      :28分50秒

 10〜15km    :29分32秒 

 15〜20km    :33分22秒

 21.0975km  :約2時間9分

 20〜25km    :41分19秒

 25〜30km      :53分21秒

  合計(0〜30km) :3時間35分33秒

 

<反省と決意>

世の中そんなにあまくなかった。日常的に走り出してそんなに間もない故障持ちの市民ランナーが、フル初チャレンジで完走しかもサブフォーを狙うなんて本気で思ってたのがおこがましい。やはりそれなりの練習を積まなければフル完走はできないと感じた。でも一方で、あの足の状態でしかもあのハードな登りコースでハーフまで走れ、その後殆ど歩いたとはいえ30kmまでいけたのは少し自信にもなった。

今後はとりあえず走った時の足の違和感をなくすことに専念しようと思う。当面(一ヶ月程度)走ることはやめ、スクワット・腹筋等の筋トレに加え、縄跳びや山登り・階段の登り下り・自転車等を織り交ぜ、基礎的な足の地力をつける練習をしようと思う。

そして、今度の冬または来年の作州(これは絶対)で必ずリベンジしたい。

そうなると2ヶ月後に迫ったにちなんおろち(37km)がちとつらい。ここであまり無理しないほうがいいと思うのだが...。でも参加料¥8,000は既に払ってるし欠場はあまりにももったいない。その時の足の状態と相談して決めようと思うが、今のところは出るつもりだ。

                                                                           以上

 

2002年4月26日