朝日新聞(香川版)

瀬戸内海タートル・フルマラソン |
| 山並みが赤や黄色に染まった小豆島で25日に開かれた「第22回瀬戸内海タートル・フルマラソン全国大会」(土庄町、県タートル協会、日刊スポーツ新聞社、KSB瀬戸内海放送、朝日新聞社主催)。県内外から1847人が参加し、沿道から声援を受けながらそれぞれのペースで走った。 町立土庄小学校4〜6年生のトランペット鼓隊による「明日があるさ」などの演奏で幕開け。午前9時からの開会式の後、同9時半にフルの部(42・195キロ)が、同40分にハーフの部(21・975キロ)がそれぞれ土庄町役場前で始まった。詰めかけた地元の人たちが、旗を振ってさかんに声援を送った。 町役場では、町商工会青年部約30人が、小豆島手延素麺(そうめん)協同組合提供のそうめん約6千食を温めて「にゅうめん」をつくり、参加者らに無料で振る舞った。 岡山県井原市の森下泰孝さん(40)、即子さん(30)夫妻は、それぞれ男子フルの部で2位、女子ハーフの部で1位と好記録。即子さんは「互いに優勝を目指して一緒に練習した。初優勝なのでうれしい」と話した。 県内の出場選手では、男子フル50〜65歳の部で三野町の関雅友さん(50)が、前回、前々回の35〜49歳の部連覇に続いて優勝。男子ハーフ50〜65歳の部で大川町の松川保さん(53)が2連覇を達成した。各部の最高齢の完走者に贈られる大浦賞は、女子ハーフの部では昨年に続き高松市の鈴木豊子さん(66)が受賞した。 「欠場した兄と二人分楽しむ」 宣誓の土庄・葛西さん 選手宣誓は、土庄町渕崎の米穀店経営葛西(くずにし)孝通さん(48)。「自然美豊かな小豆島で走れることに感謝し、完走することを誓います」と力強く宣誓した。 中学3年に駅伝部に入部。これまで数々のマラソン大会に出場してきた。兄の徹さん(50)も高校時代は陸上部。大会前は、仕事が終わったあとに2人で練習した。しかし、徹さんが夏にひざを痛め、やむなく出場を断念。孝通さんは「兄の分まで楽しんで走りたい」。 80歳須崎さん ハーフを完走 参加者最高齢の徳島県北島町中村の無職須崎正彦さん(80)は、ハーフの部で完走した。 マラソンを始めたのは会社を定年退職後。ジョギングをしている男性と親しくなり「一緒に走ろう」と誘われたという。 1カ月に約100キロ走り、自転車は300キロ近くこぐ。徳島に転勤するまでは、坂出市で暮らしていた。「香川の知り合いも参加するので、毎年再会が楽しみ」という。 「走る楽しみを感じて走れた。完走した後のビールが最高」と笑った。 今年からRCチップ採用 今大会から正確に記録を計るため、各選手のID番号を入力した「RCチップ」を読みとり、記録を自動計測するシステムが採用された。 システムを担当した会社によると、選手の靴ひもに、各選手のID番号が入った長さ約3センチのRCチップをつける。ゴール地点で、特殊なマットの上を通過すると、ID番号と通過時間を読みとり、瞬時に種目別、年代別に順位が分かる。現在、国内の大会の約7割で使われているという。 |
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2001年11月26日