金浦座・稲垣先生バタンコで見に来る



客は笠岡からは来ょうらなんだ。

旧・金浦町。

それに西、

客は茂平からもきょうた。

陶山有田、用之江、大宣。


ポスターは店とか、人がよう通るとこ、それに目立つとこ、そこへ貼りょうた。


茂平じゃったら。
吉本、
写真屋があった、そこと・・・。どこじゃったらなあ。


用之江では加藤の店、コセン橋のとこへあったパーマ家、城戸のスーパー・アメリカ屋。

大宣では為乗、松浦の郵便局のとこ・昔の、踏み切りのとこ。



張替えは自転車で行くんで2時間はずーとかかりょうた。

大門でも貼りょうた・・・・?かなあ。


看板はウチには使ようらなんだ、ポスターだけ。

笠岡には絵描きがおった。
一人か二人おった。

ポスターみながら絵を描く。
笠岡の映画館はみなそれを使ようた。




稲垣先生はバタバタの三輪車に人を積んで見にきょうた。

ウチじゃタダで見さしょうた。




料金は30円・50円・・・100円。


戦前2円99銭ゆう時もあった。


3円もらうと1銭、入場税いうのが要りょうた。
県税。






まあ戦後のいっとき、映画が娯楽の王様いう時代があったゆうだけじゃ。

えいちゃん、これ聞いてどおするんかの?






終わりに。

元・社長さん(元・館主)は現在バリアフリーの家を新築し奥様と二人暮らし。
奥様は車椅子の生活をされている。
「まあまあ、えいちゃん」と歓迎していただいた。

奥様の看護は元・社長さんがされている。「今日の昼はカレーをして食わせた。」

現役時代は武骨の風貌言動で知られていたが、
隠れた優しさは前面に出て、男一人奥様の看護には感銘を受けた。

趣味の吉備焼きには今でも「週二回くらいは行っている。」生活をされている。










おしまい・もどる







金浦座ものがたり



作成・2005年7月24日  追加更新・2005年7月30日