妹は満州から

満鉄に勤務していたのぼるさんと妹の夫婦は戦後2年ほどして帰ってきた。
帰った時、のぼるさんとみさこ(妹)は二人共軍服を着て男の格好をしていた。

吉林の日本大使館に逃げ込んだ。

それからあっちに逃げこっちに逃げたりした。

満州で子供も生まれていたが、逃げる途中に死んでしまった。

(叔父としてその子にあったことはあるか・・・との問いに)
ない。生きるか死ぬかのなかでその子は死んだ。

子が生きていたら、みさこも生きていない。


大使館に逃げたり、(身に付けていた衣類など)売ったり、隠れたりしながら命がけで帰ってきたのだ。

駅(笠岡駅だろう)で会ったときにはヤカンを背負い軍服姿で再会した。

本当に可哀相であった。


2000・4・30


おばの話(父の妹・大正12年8月16日生)

談・2015.7.21


(復員)
葫蘆島へ出るまで一か月かかった。野宿をしいしい帰った。若かったけえできたんかなあ。
戦争だけはしたらいけん。


 

2000年05月06日