娑婆との決別
褌のみは私物を使用したが、その他の私服は荷造りして総て送り返し、これで娑婆と決別し、入隊したのだと実感がわいてきました。
(2) 官給品の支給
官給品の支給は分隊毎に集合して、軍帽、七ツ釦の第一種軍装(冬服)、第二種軍装(夏服)、普段着ともいえる真っ白な事業服・一種二種略帽、外套、雨合羽、煙火服(作業衣)、夏冬の襦袢(ジュバン)、靴下、脚絆、半靴などであるが、身体に合わない者がいて苦情をいうと「海軍では身体に合わせて作ってはいない。身体に服を合わせろ」と怒鳴られる始末、仕方がないが練習生はまだ顔を合わせたばかりお互いに融通する事も出来ず困った。衣類だけでなく、日用品とそれを入れておく手箱も支給された。
支給されたものにはそれぞれ分隊と班名と名前を書き込み整理し衣嚢に収納した。そしてそれまで着て来た学生服その他の私物は荷作りして家へ送った。私の兵籍番号は横志飛14712だった。
第13期・松山
2003年3月23日