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★ 軍 歌 集        
   軍歌は我々練習生の士気を鼓舞するため歌わされた。
  日曜日外出から帰隊し夕食が済ますと「軍歌はじめツ」の号令がかかり練兵場に集まり
  軍歌演習をやった。 軍歌帳を左手に掲げ、右手を肩まで上げ両足も力強く上げ歩調をとり円形になって
  行進しながら歌った。 主に我々が歌った軍歌をここに挙げてみた。

                      (1)   艦 船 勤 務               

   1, 四面海なる帝国を      2, 如何なる堅艦快艇も    3, 風ふきすさび波怒る
     守る海軍軍人は         人の力に依りてこそ       海を家なる強兵の
     戦時平時の別ちなく       其の精鋭を保ちつつ      職務は種々にかわれども
     勇みはげみて勉むべし     強敵風波に当り得れ      尽くす誠は唯一つ

   4, 水漬く屍と潔く         5, 熱鉄身を灼く夏の日も      
     生命を君に捧げんの       風刃身を切る冬の夜も
     心誰かは劣るべき         忠と勇との二文字を
     努めは重し身は軽し        肝に銘じて勉むべし                 


                       (2)軍 人 勅 諭 (海軍)

   1, 軍人たるの 本分は     2, 又も礼儀を つつしみて   3, 武勇は古来 我が国の
     心は忠に 気は勇み       上を敬い 上よりは        誉れぞ勉め 励めかし
     義は山よりも 尚重く       下を愛して 一すじに       されど粗暴を 慎みて
     死をば軽しと 覚悟せよ     和諧を旨と 心せよ        胆力練りて 良く謀れ

   4, 信義に厚きは 軍人の    5, おごりに流れ 軽薄に     6, この五箇条は 天の道
     花にしあれば 後先を      奔るは兵の 弱きもと      人の道なり たましいぞ
     深く考え  かりそめに      常に質素を旨として       かしこみ守れと 大御言
     事な謀りそ くれぐれも      欲と華美とに 遠ざかれ     いそしみ守れ 我が武夫

                        (3)   如 何 に 狂 風           

     1, 如何に狂風吹きまくも    2, 維新以降訓練の    3, 空飛び翔ける砲丸に
       如何に怒涛は逆巻くも      技量試さん時ぞ来ぬ    水より躍る水雷に
       たとえ敵艦多くとも         我帝国の艦隊は      敵の艦隊見る中に
       何恐れんや義勇の士      栄?生死の波分けて    皆々砕かれ粉微塵
       大和魂充ち満てる        渤海湾内乗り入れて    艫より舳より沈みつつ
       我等の眼中難事なし       撃ち滅さん敵の艦      広き海原影もなし

                        (4)   軍   艦 

     1, 守るも攻めるも黒鉄の            2, いわきの煙はわだつみの
       浮かべる城ぞ頼みなる              滝かとばかりなびくなり
       浮かべるその城日の本の            弾丸撃つひびきは雷の
       皇国の四方を守るべし              声かとばかりどよむなり
       真鉄のその艦日の本に              万里の波涛を乗り越えて
       仇なす国を攻めよかし               皇国の光輝かせ             

                        (5)   (げん)    (こう)    

     1, 四百余洲を(こぞ)る十万余騎の敵  2,  多々良浜辺の(えみし)そは何蒙古勢(もうこぜい)
       国難ここに見る弘安四年夏の頃    傲慢無礼もの(とも)に天を(いただ)かず
       なんぞ恐れんわれに鎌倉男子あり   いでや進みて忠義に鍛えし我がかいな
       正義武断の名一喝して世に示す    ここぞ国のため日本刀を試し見ん

     3, こころ筑紫の海に浪おし分て往く  4, 天は怒りて海は逆巻く大浪に
       ますら武夫の身仇討ち還らずば     国に仇なす十余萬の蒙古勢は
       死して護国の鬼と誓ひし箱崎の      底の藻屑と消えて残るはただ三人
       神ぞしろしめす日本魂(やまとだましい)いさぎよし    いつしか雲はれて玄海灘月清し

                        (6)   楠     

     1, 天にあふるる 其のまこと      2, 天皇の 御夢に       3, 七度人と 生まれ出で
       地にみなぎれる 其の節義       入るも畏き 笠置山       つくさで止まじ 君の仇
       楠公父子の 精忠に           百万の敵 亡ぼして       誓いの詞 雄々しくも
       鬼神もいかで泣かさらむ         旗風高き 千早城        千古朽ちせぬ 湊川

     4, 其の名もかほる桜井の        5, 再び生きて還らじと     6, 忠勇義裂萬代(よろずよ)
       父の遺訓を守りつつ            兼ねて思いし合戦に      青史を照らす真心は
       ははその陰に生い立ちし         四条畷の白露と         死せず亡びす永久に
       楠の若葉のかぐはしさ           消えても玉の光りあり     日本男子の胸に血に

                                 

                         若鷲の歌(予科練の歌)

     1, 若い血潮の予科練の                2, 燃える元気な予科練の    
       七つボタンは桜に錨                   腕はくろがね心は火玉     
       今日も飛ぶ飛ぶ霞ヶ浦にゃ               さっと巣立てば荒海越えて
       でかい希望の雲が湧く                  行くぞ敵陣なぐり込み

     3,  仰ぐ先輩予科練の                  4, 生命(いのち)惜しまぬ予科練の
        手柄聞くたび血潮が疼く                 意気の翼は勝利の翼
        ぐんと練れ錬れ攻撃精神                見事轟沈した敵艦を
        大和魂にゃ敵はない                   母へ写真で送りたい

                         同 期 の 桜

     1, 貴様と俺とは同期の桜                 2, 貴様と俺とは同期の桜
       同じ航空隊の庭に咲く                    同じ航空隊の庭に咲く
       咲いた花なら散るのは覚悟                 血肉分けたたる仲ではないが
       見事散りましょう国のため                  何故か気が合うて別れられぬ

     3, 貴様と俺とは同期の桜                 4, 貴様と俺とは同期の桜 
       同じ航空隊の庭に咲く                    離れ離れに散ろうとも
       あれほど誓ったその日を待たず              花の都の靖国神社
       何故に死んだか散ったのか                庭の梢に咲いて会おう

     5, 貴様と俺とは同期の桜                 
       同じ航空隊の庭に咲く
       仰いだ夕焼け南の空に
       未だ帰らぬ一番機                                     


                         愛 国 行 進 曲

     1, 見よ東海の空あけて                   2, 起て一系の大君(おおきみ)
       旭日高く輝けば                         光と永久(とわ)に戴きて
       天地の生気溌剌(はつらつ)と                      臣民われら皆共に
       希望は躍る大八洲(おおやしま)                       御稜威(みいつ)に副わん大使命
       おゝ晴朗の朝雲に                       ()八紘(はっこう)(いえ)となし
       聳ゆる富士の姿こそ                      四海の人を導きて
       金甌無欠(きおうむけつ)(ゆる)るぎなき                     正しき平和うち建てん
       わが日本の誇りなれ                      理想は花と咲き薫る

     3, いま幾度かわが上に
       試練の嵐たけるとも
       断乎と守れその正義
       進まん道は一つのみ
       あゝ悠遠の神代より
       轟く歩調受けつぎて
       大行進の行く彼方
       皇国つねに栄えあれ

                         太 平 洋 行 進曲

     1, 海の民なら男なら          2,今ぞ雄々しく大陸に          3, 仰ぐ誉れの軍艦旗
       みんな一度は憧れの         明るい平和築くとき             舳に菊えお戴いて
       太平洋の黒潮を            太平洋をのりこえて            太平洋をわが海と
       ともに勇んでゆける日が       希望涯てない海の子の          風も輝くこの朝だ
       きたぞ歓喜の血がもえる       意気を世界に示すのだ          伸ばせ皇国の生命線

     4, 遠いわれらの親たちが      5, 潮と湧き起つ感激に          
       命を的に打ちたてた          しぶきをあげて海の子が
       太平洋の富源をば           太平洋に船脚を
       さらに探ねて日本の          揃えて進むひびきこそ
       明日の栄えを担うのだ        興るアジアの雄叫びだ

                         月 月 火 水 木 金 金

     1, 朝だ夜明けだ潮の息吹き                     2, 赤い太陽に流れる汗を
       うんと吸い込むあかがね色の                     拭いてにっこり大砲手入れ
       胸に若さの漲る誇り                          太平洋の波, 波, 波に
       海の男の艦隊勤務                           海の男だ艦隊勤務
       月月火水木金金                            月月火水木金金

     3, 度胸ひとつに火のような練磨                   4, どんとぶつかる怒涛の唄に
       旗は鳴る鳴るラッパは響く                       ゆれる釣り床今宵の夢は
       行くぞ日の丸日本の艦だ                       明日の戦さのこの腕試し
       海の男の艦隊勤務                           海の男だ艦隊勤務
       月月火水木金金                            月月火水木金金

                   

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2003年3月21日