父の後ろ姿


夫はよく酒を飲んでいた。
呑んで帰らん日もあった。

ある日、荷物をかたずけ。タンスの中からもだしょうた。
その時おばあさんが、それを察して・・・・「〇〇(夫)も戦争で負けてかえって、慣れん百性してつらいんじゃ・・・。本当の性格は・・・・・」と、さかんに親心で褒めた。

「おばあさん、ちょっとだけ行ってくる。」と、茂平に行った。昔のことじゃけぃ、ここから歩いて茂平へ行った。

おじいさん(茂平の実父)が歩くその後姿の肩が、あのおおきなおじいさんの両肩が前に落ち込んでいた。

それを見て【こりゃ、親不幸もんじゃ。】

その父親の後姿を見た時から、もう頑張らにゃいけん思うた。


いろいろあったな。
思い出せば涙がでるようなで。



(昭和28年ごろ茂平にて・左の前後が叔母夫婦。子供が二人いるが、左おばの長女きみちゃん、右作者えいちゃんである)


2002・4・30