手に毛がはえたロシア人


戦争に負けたらロシア人が馬に乗ってうわぁーと、やってきた。

「一日中出るな。出ると、絶対殺される。」ゆうて、ひとところにおって。
それで窓越しに見ると。

大きな男で、手には指にも毛がむじゃむじゃ生えとった。
顔は真赤。

赤い、そしておおきい。

私らは”ろぼうず”ようた。体格がおおきくて、真赤で、手もおおきくて、手に毛もはえて・・・・怖かった。
絶対殺される思ようた。

出るな言うても、どうせ殺される。そう言ぅた。


ロシア人は別に悪い事はせんかった。



ハルビン駅のロシア兵・昭和20年

2002・4・30