ままならぬこの身

波は月風、砕けば砕け。
僕は浮世の渡り鳥。

今日は軍人ままならぬ身。
御国のためのご奉公。

今日は討伐。敵の矢玉もなんのその。

僕の命はただ、誰が知る。

護国にささげたこの身体。
明日は遅番、敵の陣。夜は月に見守られ一人たたずむこの大地。


星は輝く幾星霜、故郷はるかにながむれば、なぜか乱れる天の川。



1939/6/9

【談・2001年8月15日 】

あのほうが茂平の方かのう、ゆうて空を見ょうた。
わかりゃあせん、ほうかのう、思ぃながら見ょうた。そわぁなもんじゃ。