大別山の食糧どろぼう


作者記・大別山越えは、他のページ・資料でも記されてはいるが、たいへんな食糧難であったようだ。


食べるもんがねぃ。

それで、畑の○○を盗る。

なんじゃゆうて畑は下の方。
それをはさんで見方と敵がおる。
両方みんなが見ょおるんじゃけい。

頭を見られたら撃たれる。

溝みたいなここを、どんごろすをもってかがんで這うようにして歩く。

畑に着いたら、かがんで、頭をださんように、見えんように取る。

どんごろすが一杯になったら、くくって、縄を上から引っ張り上げる。

これでほおて(這う)道へでて、せねぇ背負うたり、引っ張ったりしながら戻ってきょうた。


見られたら、すぐ狙撃されっしまう、うっかりしょうたら撃たれて死んでしまう。




 




談・2001年8月14日