親亜細亜の動きは日一日と深刻、決裂を深めている。
いよいよ壮士・先輩・諸賢の元に往くことにあいなる。
5月3日、来たるべき日はきた。待ちに待った出征の日は来た。
満堂の声に送られつつ、なつかしい兵舎を後にし、戦友と別れをつげ
自動車にて一路駅頭に向かう。
早朝より揺る雨は矢のごとく、僕らの出征を祝福するかのごとき
岡山駅プラットホームを離れた。
時まさに岡山駅零時16分。ああ、これまさに最後だ。
歓送の音楽の音に万感の音、耳に満ち
ただ一筋に心はおどる。
ああこれが彼女との最後の決別か!
「お元気でね」
汽車は一路山陽本線を南下しつつある。
2001年8月5日