(弘化3年生まれ、超長寿の) ゆくばあさんのこと
(おじ話 2016.1.19)
(日常生活は?)
朝起きたら、死んどった
縁側で、毎日ひなたぼっこをしながら真田を編みょうた。
週に一回、一反なんぼゆうて買いに来とった。
(ばあさんの編んだ真田は)穴だらけで、「もうやめい、ワシャ恥ずかしい」ゆうてようた。
それでも買ぉてくれるから。死ぬるまで真田を組んどった。
それで、朝起きたら、死んどった。晩は元気で。
(祖父の)利三郎おじいさんは一ケ月ほど寝込んでから死んだ。
(曾祖母の)ゆくばさんは、98まで病気もなかった。
小学校の1.2年の担任の女の先生が、年一回の家庭訪問をしてきたら、次の日に教室でワシのところのおばあさん(曽祖母)の話をして恥ずかしかった。おばあさんがこう言った、ああ言ったゆうて。
自分のところから嫁に行っとるので気にしとるし、おばあさんは自分の出所でなつかしいんで話しとった。相手が先生なんでほめちぎって話したことを、教室で話すのでこもうなって聞きょうた。
提灯行列
嫁に来たとき、用之江から提灯行列で来た時のことを話しょうた。何度でも話し、それを繰り返して話す、「止めてくれ」ゆうまで話しょうた。何度もそうゆうことがあった。ぐるぐるぐるぐる、何度でも言ようた。
脇差のこと
家に脇差があった。
(ゆくばあさんの夫で、天保11年生まれの曽祖父の)
富次郎じいさんは臆病もん言わりょうた。それは
用之江から夜中に帰るときは、刀を抜いてから峠を越しょうたゆうことじゃった。
更新・2017年2月7日