屋根の葺き替えは十年ごとくらいじゃろうか。
新しゅういれたところは職人でねえとけっこうにならん。そこのところは職人がしとった。
屋根職人が三人くらいで、あとは近所のひとを含めて手伝いだ。
屋根の麦わらは小麦でないといけん。小麦はそんなにない。裸麦じゃあいけん。
で、麦わらは大事に長屋の天井に保管しておく。
麦わら屋根の葺き替えは、そういうことでお金のことだけでなく原料があまりないので、全部新品に葺き替えということはない。
わらの間に新しいわらを突っ込んでいく。という作業である。
その手伝いは家のひとだけでは足りんので近所の人が応援する。
刺し藁ゆうて、刺す締める。わりあいメンドくさい作業じゃ。みんなテゴをしおうてしょうた。
2000・6・11